大阪地裁に入る原告ら=2022年6月21日午後1時31分、大阪市北区、浪間新太撮影
同性婚が認められないのは憲法に違反するとして、同性カップル3組が国を訴えた裁判。原告や代理人弁護士は20日午後1時30分ごろ、判決が言い渡される大阪地裁(大阪市北区)に入った。
【図解】法律婚とパートナーシップ制度の違いは
香川県三豊市の田中昭全さん(44)と川田有希さん(37)、京都市の坂田麻智さん(43)とテレサさん(39)は、「結婚の自由をすべての人に」と書かれた横断幕を手にし、緊張した面持ち。駆けつけた支援者から、「がんばって」「いってらっしゃい」というかけ声と拍手があがると、少し笑顔を見せ、手を振ってこたえた。
予定通り午後2時に開廷すると、土井文美(ふみ)裁判長は「主文 原告の請求をいずれも棄却する」と述べて、原告側の主張を退けた。
その後、判断した理由の説明に移った。原告側にとっては、請求は棄却されても、裁判所が同性婚を認めていない現状を「憲法違反」と判断するかどうかも焦点だ。
しかし、原告側が主張した「婚姻の自由」を定めた憲法24条、「法の下の平等」を定めた憲法14条にも「違反しているとは認められない」と述べると、満席の傍聴席からはため息がもれた。「違憲」と判断した昨年3月の札幌地裁判決とは異なる判断となり、原告席の川田さんは肩を落とし、机の下で手を握り合って聞いていた田中さんはぼうぜんとした表情だった。坂田麻智さん、テレサさんは困惑した様子で顔を見合わせた。(松浦祥子、浪間新太)